では問題です。
ピックアップトラックから派生して丈夫で道を選ばない乗用車として誕生したのが、パジェロやランドクルーザーなどのSUV。
では大型のオフロードバイクから派生して、
道を選ばない長距離ツアラータイプの
バイクをなんというでしょう?
もうお分かりですよね。こうした頼もしい形の長距離ツアラーを近年、
「アドベンチャーバイク」
と呼ぶようになりました。
明確な定義は特にありませんが、
- ちょっと大柄
- 頑丈な作りを持っている
- 長距離でも疲れない
- ちょっとした荒地も走れる
バイクのSUVといってもいいでしょう。
今回はオフロードシリーズの一環として、大型のオフロードバイクの魅力をお伝えしようと思っていました。
しかしこのクラスに限ってはオン・オフ両方をこなせるアドベンチャーバイクについてその魅力をお伝えしていきます。
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Contents
アドベンチャーバイクならではの魅力!
オフロードバイクは大きくなればなるほど、実際のオフロードを走るうえでライダーにその馬力や車重を支えられるだけの力(体力)が要求されることになります。
例えば80㏄のモトクロッサーでも土の上で8の字走行をするだけでも、結構息が荒くなるものです。
オフロードのヘルメットのあごの部分が長くなっているのは、オフロードで息が上がったときに息苦しくならないようにするためなんですよ。
このちょっと苦労するところがオフロードの面白いところでもあるんですが、大型のオフロードバイクになるとなかなか大変なのは察しがつきます。
「アドベンチャー? どんなバイクを言うのか想像がつかないぞ。」
そうおっしゃる方もいらっしゃると思います。
有名なところでは、パリ・ダカールラリーに出場するバイクですね。
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.html
欧米の人特にイギリスや北欧に行くとわかるんですが、男も女も身長190㎝代の人はざらにいるので、
こういう大柄なバイクを乗りこなすのも
我々日本人が乗るより有利なのだと思います。
砂漠を200k近いスピードで何日も走り続ける。
しかも重装備のこんな重たいバイクでです。
「無謀」と言ってしまえば元も子もありませんが、そんな大変なことをやってのける人たちがいるわけです。すごくないですか?
パリダカはさすがに難しいですが、「こんなすごいバイクでどこまでも行ってみたい」というロマンが沸いてくるのが『バイク乗り』というものなのだと思います。
「アドベンチャー」という呼び方でよぶようになったのは、本当にここ1年くらい最近のこと。
写真のバイクはパリダカ専用に作られたメーカー開発バイク、いわゆるワークスマシンというものですね。
1980年代後半からこのレプリカというかベースマシンが発売になり、実際にそれらを改造してラリーに挑む方もいました。
上:YAMAHA XTZ750スーパーテネレ
下:HONDA NV750アフリカツイン
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://www.bikebros.co.jp/community/IMP_bikeData.php?m=2&s=85&b=3
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://kakaku.com/bike/item/K0000855450/
このカテゴリーのバイクはヨーロッパのBMWや
CAGIVAといったメーカーの方が歴史があります。
国産メーカーも世界有数の過酷な舞台で勝てるバイクを送り込んで切磋琢磨してきました。
いずれのバイクも660から1200㏄くらいのそのクラスにしてはコンパクトなエンジンを搭載していました。
開発のコンセプトとして大切にされているのは
- トップスピードよりも走破性
- 耐久性
- 視点の高さからくる視認性の良さと安心感
- 安定感、疲労感の軽減
が最優先され、これこそがビッグオフローダ―の醍醐味といえます。
もちろん当時と同じようにオフロードバイクとしての性能を主眼に置いたバイクもさらに性能アップして今に息づいています。
上:YAMAHA XT1200Zスーパーテネレ
下:HONDA アフリカツイン1000
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://www.bikepics.com/yamaha/xtz750/
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://kakaku.com/bike/item/K0000855450/
YAMAHA XT1200Zスーパーテネレ、
新型のHONDAアフリカツイン1000も
そういうバイクですね。
そしてそこから派生して、ビックオフローダ―が持っている醍醐味を活かしたのがアドベンチャーバイクであると言えるでしょう。
どっしりとした安定性は、長距離ではある程度バイクに任せた乗り方ができるので楽ちんそのものです。
単純にビックオフにロード用のツーリングタイヤをはかせて楽しむ場合もありますが、車体そのものがビックオフの乗り味を持ちながら、ロードでの乗りやすさを追求しているもも増えています。
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日本人にも優しい、欧米で支持されるアドベンチャー
アドベンチャーならではと思わせるのはやはり安定感と航続距離の長さですね。
これは単にタンクが大きいというだけでなくて、サスペンションや大柄な車体全体が長距離での安心感で売れているところも大きいわけです。
例えば、ヨーロッパではほぼEU全体が高速道路で繋がっています。
色々な国をまたいでバイクを楽しむ
というのは特別なことではありません。
こちらで言えば北海道ツーリングみたいな感覚で、いくつも国をまたいで6月にマン島のレースを見に行くなんて言う人も多いんですよ。
2015年マン島のレースを見に行く人々とフェリーの中の様子;リバプールにて筆者撮影
アメリカでも同じように、長距離ツーリングはハーレーだけではありません。
ヨセミテ国立公園やグランドキャニオン等、
ワイルドな場所には必ずアドベンチャーバイクで
ツーリングをする人たちに出会います。
タンク容量が大きくて航続距離の長いアドベンチャーは非常に便利な乗り物として受けて欧米人に受けているのです。
ヨーロッパの仕様のアドベンチャーバイクはさすがに大きいので、日本でそのまま乗れるという人もなかなかいないかもしれません。
ただメーカーによってはちゃんと日本仕様を用意して対応してくれているメーカーもありますし、国産アドベンチャーバイクも小柄ながら頼もしいモデルをここ数年でいくつかデビューさせています。
「日本人にも優しい」ということを一番の条件に、扱いやすさや機能面などを考慮しながら、筆者の独断とわがままでベスト5をご紹介しましょう。
「日本人にも優しい」オススメアドベンチャーバイク5選
まず第5位から行きましょう。
第5位は・・・。
BMWR1200GSアドベンチャーです。
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://www.virginbmw.com/models/r1200gsadventure-2014/
この超ごついスタイルに、ジュラルミンケースのような専用パニアケースをフル装備で走る姿はまるで戦車。
車名にアドベンチャーとついていますが、
まさしくこれが元祖アドベンチャーです。
一度乗ってしまえば、振動もなく滑らかなエンジンにもううっとりとするほどほれ込みます。
じゃぁなんで5位なの?というと、まずは価格が230万円以上とお財布に優しくない点ですね。
そしてなんといっても空車で910㎜、人が載って890㎜というあしながおじさんしか乗れないシート高にため息です。
続いて第4位は?
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ドゥカティのームルチストラーダ1200です。
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://cartouchegpa.com/ducati-strada/
このドゥカティのームルチストラーダは日本でも比較的見かけることの多いアドベンチャーバイクといえます。
それもそのはず、ちゃーんと日本仕様が用意されていて、イタリア本国仕様の825/845mmに対して、日本仕様は800/820mmというシート高になっています。
しかも電子制御で必要に応じて車高を20mmも上下させることができるので、大柄ながら足つきもばっちりなんですよ。
海外車種でこんなに日本人に歩み寄ってくれたバイクもないですよね。
ただこれから多くの人にアドベンチャーを体験していただくには200万円を超える値段はちょっとでした。
そして第3位です。
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://www.virginbmw.com/models/s1000xr-2015/
BMW S1000XRです。
シート高が840と平均的なスポーツバイク並みです。
ただこのバイクについて注目していただきたいのは、パワーユニットがほぼスーパースポーツバイクのS1000RRと同等のものを使っているということですね。
恐らくこのままバイク人口が高齢化するなら、
SSバイク+アドベンチャーは新機軸になっていくでしょう。
スーパースポーツツアラーとはまた違うジャンルとしてこれは面白そうです。
今回は値段的に高いという理由で3位にしました。
そして2位は・・。
おっとここで波乱があったようです。
2位にはなんと!
YAMAHA XT1200Zスーパーテネレ
HONDA アフリカツイン1000
(写真出典元は先ほどと同じ)
が同率の2位です。
この2台は日本でビックオフローダ―
そしてアドベンチャーの礎を築いた
日本が誇る功労者でもあります。
XT1200ZスーパーテレネではYAMAHAのお家芸ともいえる電子制御トラクションシステムを搭載。
グリップの低いところでも安心してアクセルを開けられるので、バイクに任せて乗っていられる安心感があります。
HONDAは先進のダブルクラッチシステムで
ギア操作を必要としないタイプもあり、
圧倒的に長距離に有利です。
その上オフロード走行に有利なように、多彩なモード選択できるトラクションコントロールも備わっています。
ともにシート高も押さえてあり、かなり日本人にも優しいモデルだと言えます。
(アフリカツイン1000についてはノーマルシートとローシートの選択可能で、それぞれ4段階の調整が可能)
砂漠で鍛えられ、先進技術を取り入れながら21世紀のアドベンチャーマシンに仕上がっているこの二つのモデルの存在は大きいですね。
さて、筆者が勝手に選ぶアドベンチャーベスト5。
残りは一位の発表です。
第一位は・・。
でらでらでらでら・・
ジャン!
参考元: https://www.geocities.jp/team40th/newpage23.htmlhttps://www.yamaha-motor.co.jp/mc/sportsbike/mt-09-tracer/color.html
YAMAHAのMT-09トレーサーです。
このバイクに関してはまず、
- 値段的な手ごろさ
- 低いシート高や電子制御での乗りやすさ
- BMW S1000XRに見る「カッ飛び」+「アドベンチャー」という稀な方向性
- そしてアドベンチャーとしての豊富なオプション
等を理由として挙げさせていただきました。
母体はもちろんMT-09。
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/sportsbike/mt-09/color.html
がベースになっている車体なのです。
しかし単にMT-09にカウルを付けただけではなくて、アドベンチャーとしての落ち着き有る走りの為の味付けが各所に施されています。
例えば、フロントホイールをわざと重量を上げたり、タンデムシートの厚みを増してグラブバーを追加してパッセンジャーへの配慮も相応のものになっています。
メーターパネルも大型の液晶パネルで、
視認性が良く長距離でもライダーに
ストレスを与えないよう配慮されています。
またヤマハのこの方法は母体となる車両との共有パーツも多く、拡張性のあるフレームをつくることで生産性にも貢献できます。
なので今後もいろいろなメーカーも、SS系のちょっと大柄なアドベンチャーバイクがスーパーツアラーとはまた一線を画した形で出してくるのではないかと考えています。
とにかく価格と操作性の面で、より多くの人にアドベンチャー的なバイクの楽しみ方を広げてくれるバイクという意味で、トレーサーが栄えあるベスト5一位です。
謎 ;「ちょっと待ったー!!」
筆;「えっ、何ですか?」
謎;「さっきから聞いてりゃ大型ばっかりじゃん!」
筆;「あ、はぁ・・・。」
謎;「俺ら中免ライダーはどうすりゃいいのさ?!」
筆;「といわれましても」
謎;「『といわれましても』じゃないよ、あれはどうしたんだよあれは!」
筆;「あれ、ですか・・。」
謎;「一つしかないんだからわかるだろ、俺たち中免ライダーにアドベンチャーの楽しさを教えてくれる唯一のバイク。」
筆;「わかりました、確かにせっかく大型免許がなくても乗れるアドベンチャー、ありました。」
「ではご指摘のように特別賞を設けましょう。」
謎「わかってくれればいいんだ、ありがとうじゃぁ!」
筆;「いえいえ、こちらこそ大事なバイクを思い出させてくれてありがとう」
では栄えある審査員特別賞の発表です。
そのバイクとは・・。
参考元:https://www.honda.co.jp/400X/
HONDA 400Xです。
そうですね。
お金持ちしか乗れない高いバイクや
女性が乗りにくいような間口の狭いバイクは、
他の雑誌やブログに称賛してもらえばいいのです。
他のバイクが低くても840mmほどのシート高であるのに対して、こちらは795㎜。
まさにナクコも黙るシート高の低さであります。
エンジンは現在のCBR400Rのものと同様の扱いやすいパラレルツイン。
これが何とも初心者に優しい。
Hondaは「クロスオーバー」という言い方をしていますが、これはまさしく今回取り上げている「アドベンチャー」としてふさわしいバイクです。
それが証拠に、車体は母体のCB400よりサスペンションのストローク幅を20mm拡大してアドベンチャーとしての性能をしっかり保持しています。
ありがとう、謎の中免男さん。
君のおかげでこのブログも単なるありふれたブログで終わらずに済みそうだ。(涙)
どんなに財布がさみしくても、股下がぷりてぃショートでも、
バイクの楽しみは平等だ!
分かち合える「ど知りたい」ばんざーい!!
まとめ
終わりが見えなくなりそうなので、強引にまとめます。
いずれにしても、初心者から熟練したライダーまでが楽しめるバイクという形で選んでいくとまず最初にこの400Xはエントリーバイクとして考えられるべきバイクですね。
400でもこれでのんびり旅から長距離まで、楽しめると思います。
また大型は大型で、ずっしりとしたバイクを操る楽しみや、大型独特の安定感といった深みのある味わい方ができるでしょう。
400が出てきて思い出しましたが、まだ大型免許が教習所で取れない限定解除の時代。
それこそ、「クロスオーバー」も「アドベンチャー」という言葉もない時代に既にこの予兆はあったのかもしれません。
HONDAで言えば結構かっこよかったトランザルプ400Ⅴ、
参考元: https://www.goobike.com/catalog/HONDA/TRANSALP_400V/index.html
YAMAHAで言えばSRXのエンジンを載せ画期的な色のXTアルテイジア400。
参考元: https://blog.goo.ne.jp/barb_ress/e/750e2dad54dd22f3ab049be9add50136
KawasakiにもKLE400というバイクがあったんですよ。
しかもこれには250cc版もありましたし・・。
参考元:https://www.goobike.com/bike/stock_8500270B20140610003/
これらは90年代、言ってしまえば20世紀のバイク何ですが、写真を見ていると何となくまだこのころはオフロード車のサスの長さを活かしたツアラーをつくろうと各メーカーが模索していたように感じませんか?
そして21世紀の今、ちょうどその答えがアドベンチャーバイクになっていったと言えるでしょう。
アドベンチャーバイク、これからどんどん楽しみなジャンルです。
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