https://www.sphere-light.com/lp/ledbikeheadlight
最近のバイクはライトの光り方が白色でクッキリしていてカッコいいと思いませんか?
イエローバルブライトが流行った時代からプロジェクターヘッドライト、これまでもいろいろなヘッドライトが流行りました。
筆者のSRX400もライトをHIDにしようと思っていたら、高照度LEDヘッドライトキットが出てきてびっくり。おととし発表されたYZF-R1が世界に先駆けて量産車初となるLEDヘッドライト標準装備車となりました。
他のメーカーも続々と新型車にLEDを搭載させていますから、「HID購入は踏みとどまってよかったのか?」と思ったりします。
今回は既存車に後付けでLEDヘッドライトを取り付ける場合のお勧め品や、車検との兼ね合いについてお話しします。
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Contents
バイク用LEDヘッドライトキットの課題
現在LEDヘッドライトキットをリリースしている会社は、SYGNHOUSE社(サインハウス)、SPHERE LIGHT社(スフィアライト)、そしてプロテックという3社で、いずれもHIDを長く研究・販売をしてきた会社でもあります。
果たしてHIDの経験で、この3社がどんなLEDキットを造るのかは非常に興味深いところです。
LEDヘッドライトは、HIDより安定して簡単に、長くその性能を維持できるようになったことで、キットパーツとしても、次第に人気と信頼を獲得しつつあります。
2014年あたりからチラホラお店に置かれはじめて、筆者もSRX近代化パーツの候補にと気になっています。
一般的なバルブもそうですが、二輪用は耐震性が必要で、なおかつ耐熱部品を狭い場所にどのように収納するのかということがHIDでも課題でした。
そもそもLEDを大きな光源として使うにはたくさんのダイオードチップが必要だったわけですが、たくさんチップを並べてしまうと、光が散ってしまい、保安基準を満たせなくなります。
またダイオードは簡単に言えば抵抗器の一種ですから、たくさんの電流を流しても、大した光にはならずに熱が発生してしまいます。
その上で、バイクですので、耐震性と防水性を保証できるものにしなければなりません。
バイク用LEDを選ぶための判断基準
消費電力が少なくて電球より数倍明るい光は、誰もが求める光源であるといってよいでしょう。
HIDは電源が確保されている街灯や、電車の前照灯、そして車にその夢をかなえ、2輪車のヘッドライトとしてもある程度成功を見ましたが同時に課題をいくつか残しました。
その上で、LEDヘッドライトに求められるのは、
- HIDと同等それ以上の明るさをだすこと。
- 保安基準を満たし、車検にパスできること。
- 耐震・耐候性に優れること
- 安定して作動すること。
- 導入取り付けが簡単なこと
- 長寿命であること。
- 有害な廃棄物を出さないこと。
- バッテリーに優しいこと。
- 光ムラが発生しないこと
- リプレイスライトバルブとして、常識的な価格であること。
ですから、明るいのはいいことですが、それが不安定で使いにくく、雨や風などちょっとしたことで壊れるものであってはなりません。
また、ただ明るいだけでは車検に通りませんからその部分もカバーされたものでなくてはなりません。
大きく言えばこれらはバイク用HIDキットの反省だと言えます。
LEDヘッドライトキットにとってみれば「宿題」ともいうべきことで、LEDキット購入にあたっては、いかにこれらの「宿題」がクリアされたものであるかというのが一番大きな判断基準となるでしょう。
LED売れ筋BEST3は?違いも比較してみる
日本ではSYGN HOSE社の「LED RIBON(エル・リボン)」がいち早くこれらの問題をクリアして実用化にこぎつけました。
SYGN HOUSEサインハウス:LED RIBBON ヘッドライトバルブ H4型
https://www.webike.net/sd/21799149/
写真にあるような放熱リボンがその商品の名の由来。
HIDのような作動の遅さや、角度によるムラがなく、取り付けもコネクターを差し替えるだけなので手軽です。
特にこちらは安定作動に徹底的にこだわって作られています。価格はWebikeで25,380円(税別)とちょっと高めですが、
オーナーレビューではおおむね好評です。
一方のSPHERE LIGHT社の製品はこちら
https://www.webike.net/sd/22106666/
これがスフィアの「RIZING」です。
「初めての車検対応LED」が謳い文句になっていて、配光に気を使った設計と全体のコンパクトさが人気の商品。価格はWebike
で⒕,4924円(税別)と3機種の中では、最もリーズナブル。
保安基準・車検適合を目的にしているというのが良いですね。
そしてもう一つ、プロテック社の商品がこちら
https://www.webike.net/sd/21987019/#sd_tab
https://www.protec-products.co.jp/products/lb/
LB4-S LEDヘッドライトバルブキット H4 Hi/Lo 6000Kというライトキットです。
こちらも車検対応を大きく謳っていて、車検時に検査官に見せる「検査協会成績証」がついてくるという押しの強い商品です。
この製品の場合面白いのは、本体背面部に冷却フィンを持ち、それを超小型防水ファンで冷却する機構がついていること。
ブースター装置はHIDのバラストに似てやや大きめですがこのLB4-S以外にも車種専用キットが豊富にライナップされています。
このキットでWebike価格は17,258円(税別)
バイク用のLEDヘッドライトキット。真打はどれか?
いろいろと商品レビューも大変参考になりますが、筆者はこれら3商品のお客様の反応をよく知っている20年来の友人で、某有名バイク用品量販店店員のNさんに聞いてみました。
彼によるコメントは、以下のとおりです。
まず売れ筋に関して。
- スフィアライト
- サインハウス・リボン
- プロテック
の順になるということでした。
やはり雑誌広告の多さで、知名度やコスパで選ばれているということですね。
プロテックはレビューでは好評でしたが、3位、やはりユニットの大きさが響くようです。
取り付けに関しての反応について
「30Wなので明るさはサインハウスのリボンが人気、ただ各社LEDユニットの冷却方式がそれぞれ違うので、ある程度取り付けに余裕がある車種が有利です。
そのため、ポン付けできるものもあれば、ライトケースに穴あけ加工が必要なものまであります」
各製品の写真を見てもやはりユニット自体の大きさがまちまちですから仕方ないようですね。
「車検対応」について
「やはりネックは車検で、スフィアライトもプロテックも車検対応とうたっているけれど、
絶対を保証するメーカー保証ではない
ということを、販売をするときに念押して理解してもらう必要があるんですよ」
と話してくれました。
また続けて彼は、あくまで個人の見解としたうえで、
「まだ出たての商品、という感じでそれぞれ少々の課題を抱えているため、お客さんもその行く末を見守っている感じで、定番商品と呼べるようになるまではあと少し時間が必要だと思いますね。」
とこの市場を冷静な視線で見た感想を語ってくれました。
これについては筆者も同感です。現時点でも各メーカーともに切磋琢磨して頑張ってきたなぁという感想はありますが、もう一世代後のものをメーカーも探っているような気がします。
とはいえ、安定した強い明るさを早く求める方には、上記機種も十分満足を得られると思います。
FCLのLEDヘッドライトを使ってみました!
(2019年4月追記)
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最近のLEDヘッドライト事情がどうなっているのかな?ということでいろいろ調べていたのですが、先日株式会社 WiNEEDS HOLDINGSさまより「FCLヘッドライト」をご提供いただきましたので、ひとまず簡易的にレビューをさせていただきます。
結論から言うとこのLEDライト、めっちゃコンパクトで控えめに言っても最高な気がします…!
(商品のご提供をくださりありがとうございました!)
バイク特有の悩みとしてありがちな「ヘッドライトケースに収まらない」という問題をクリアできそうなぐらい短いLEDライトです。
普通のH4球と組み合わせていますが、多分普通のH4にカプラーを挿したときの全長とほぼ変わらないぐらいのサイズですね。
パッケージの形状はこのような感じで、バラストもかなり小さくヘッドライトケースの中に収まるぐらいのレベル。(実測で1センチ×4センチぐらい)
奥行きサイズ参考値としては、実測でおよそ38ミリ程度。
実際の明るさはどうなんだ?というところですが、まんべんなく高光量で照らしてくれます。
筆者のバイクは黄色レンズで、カット形状もあまり良くない(気がする)のですが、それでも光の散り方は非常に綺麗ですね。
まだ使ってみて間もないため、耐久性や実走行時の夜間での視認性などは追ってレビューさせていただきたいと思います!
バイク用ヘッドライトの最新光軸試験基準
ショップに行って、ヘッドライトバルブの箱を手に取ると、6000Kとかいろいろな数字や単位が記されていますよね。
LEDのバルブも同じです。
皆さんはその意味正確にご存知でしょうか?
「わかんないけど、とりあえず適合ワット数で一番数値の大きいものを」と思っていませんか?
ちょうどいい機会ですので一緒におさらいしていきましょう。
車検の光軸テストはただ明るくしなさいといっているのではなくて、次のようなことにを考慮して、この保安基準が厳しく設けられています。
光の「照る範囲や角度が適正で淀み歪のないこと」が求められ、
- 「ルーメン」の単位であらわされる『眩しさ』。(配光性)
- 「カンデラ」の単位であらわされる『光量』。(単純に明るさ)
- 「ルクス」の単位であらわされる『平均照度』(光のムラがないこと)
- 「カルビン」の単位であらわされる『色温度』(光の色の濃さ)
車検ではこれらを厳密計っていきます。
また、光の色も、基本的に「白」でなくてはいけません。
平成17年12月31日までの登録車には「黄色」も許されますが、平成18年1月1日からは「白」として統一することが決まっています。
そして、カンデラは15,000カンデラ以上でなくてはいけません。
ルーメンは全ての方向に対して1カンデラの光度点光源が光束として一定の範囲に(平均照度)何ルクスあるかを計っています。
このルーメン数を重視するメーカーもあれば、カンデラの数値を上げることがいいとしている会社もあるようです。
平成15年の8月31日まではハイビームで計測していたのはご承知の方も多いかと思います。
しかし、同9月1日からロービームでの計測となり、主に光がどの範囲で照らされているかという配向性について厳しくなりました。
配向性の範囲は、
「ロービーム照明部中心の高さが1m以下」のクルマの場合、照明部中心の左23センチ・下11センチの位置が測定ポイントとなる。
「照明部中心の高さが1mを越える」クルマの場合は、照明部中心の左23センチ・下16センチの位置が測定ポイントです。
引用サイト→https://www.diylabo.jp/basic/basic-05.html
「K」カルビンとは
どんな物質でも高温にすると熱と共に様々な色に発色するのですが、黒いものが熱せられるときの光の色をその温度になぞらえた単位です。
温度が低いとくらいオレンジ色になり、高温になると白から次第に青くなるというものです。
色温度見本→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E6%B8%A9%E5%BA%A6
例えば雨の場合には白が強すぎると、光が雨や霧にはじき返されて、乱反射して見にくくなります。
そのため、「具体的な規定はないのですが、検査員の判断で6000カルビンまでが合格ラインでそれ以降は青色として不合格になるようです。
今も青白い光や紫白のバルブがありますが、ゆくゆくこの「青白さ」がどこまで許されるかが今後の課題になるようです。
LEDははたから見れば、差し込むような多少刺激的な光でもあります。
なので、125ccや250㏄で車検がないからと、配光をいい加減にして、周囲の交通を幻惑させることは決していいことではありません。
いずれにしても、保安基準を満たせなくては困ります。
HIDは希望の光だったのか?
これまでも白昼色の明るいハロゲンライトが好まれて、PIAAやRAYBRIGなどの高価なライトバルブブランドには今も人気があります。
既にテールライトやウインカー、ポジションライトやバックライト、さらには室内灯などは早くからLED球が売られていました。
常時点灯が義務ずけられているバイクの場合、HIDの意表を突くあの白い明りは、「昼間でも他車からの視認性を確保する」という昼間点灯の目的にもかなったものだったと思います。
発売当時HIDは大変高価で、バイク用のキットが発売されたときも、最初は1セット6万円以上の値段だったと思います。
新しもの好きの仲間のライダーがこぞって装着、たとえ4灯でもさすがに全部はつけられず、LOW側にだけつけて「ハイビームにすると暗くなるんだぜ」と笑っていたものです。
さすがにライトにウン万円かよと躊躇したので、筆者は「HID色」というPIAAのバルブを付けて満足してました。でもこの方が意外にいい場合があったのです。
HIDはバラストと呼ばれるに電圧をかけてバルブの中で放電することで強烈な光を造っています。この電バラストが、高周波を発生させ、微妙なコンピューターの制御を狂わせる「誘導障害」を起こす場合があるのです。
幾人かの友人のスーパースポーツバイクが、このトラブルで修理を受けていました。
また、HIDは水銀灯の一種なので、光が安定するまでに1~2分かかってしまい、パッシングができないキットも多くありました。
更に長寿命をうたっていても、いざバルブが切れたときはキットごとの交換が必要な場合があり、犠牲の多いパーツとして、筆者は購入を見送ってきました。
まとめ
HIDで苦労したという人も、また筆者のように購入を見送った人も、今回ご紹介させていただいた商品なら安心でしょう。
商品の内容について詳しくは、お近くのバイク用品店で、適合をしっかり確かめてみましょう。
もし夏のセールなどで、サインハウスやスフィアがイベントをしていたり、試乗車を出していたりした場合は、積極的に乗ってみて、それぞれのスタッフの方にお話しを伺うのも楽しいですよ。
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