これからどんどん寒くなっていく日本の冬ですが、ライダーにとっては非常に辛い時期でもあります。
ひとたび走りだせば、頭から足の指先までキンキンに冷えてしまいますよね。防寒対策に頭を悩ませているライダーも多いと思います。
ツーリングはもちろんのこと、少し走りに行くような用事でも真冬の寒さは凍りついてしまいそうなものがありますね。
ハンドルを素手で握るなんてもってのほかですし、上着をパンパンに張るまで重ね着をしても、いつの間にか寒さにガッタガタと震えてしまうのは大きな悩みでもあります。
そんな冬のバイク防寒対策として、今回は服装の考え方やグローブやジャケット等の装備品についてもオススメの物を紹介して行いたいと思います。オススメのグローブなんかも紹介してまいります。
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Contents
バイクの体感温度は氷点下?!スピードの関係
9月末月頃から日が出ていても肌寒さを感じ始め、11月末にもなると日中もひんやりとする空気がライダーを襲います。
夜間はすでに信じられないぐらい寒くなってしまうのですが、これは外気温の影響だけでなく走行スピードの影響も大きいみたいです。体感温度というやつですね。
その体感温度というのはニュアンスで通常表されるものですが、世の中に体感温度公式なるものが存在します。
- 体感温度公式
体感温度 = 37 – (37 – t) / (0.68 – 0.0014*h + 1/A) – 0.29 * t * (1 – h/100)
ただし t: 温度(℃)
h: 湿度(%)
v: 風速(m/s)
A: 1.76 + 1.4*(v**0.75)
こんな感じで、指数の混ざったゴリゴリの計算公式なのですが、こんな式があるとはびっくりですね。
例:気温が5度、湿度が20%の高速道路を100キロで走行することになった場合
→ 体感温度はマイナス9.5度・・・。めちゃくちゃ寒いですね!
これは、防寒対策を行わずに冬場のバイクに乗るということはすなわち業務用の冷蔵庫の中を走っているのと同じ事となります。
寒いだけならまだ何とかなりますが、運転に支障をきたすような寒さは事故のもと。なんとかしたいものです。
バイクジャケットに求められる「冬性能」とは
アウタージャケットを着る前に機能下着は欠かせませんね。
その上で、冬のバイクジャケットやオーバーパンツに求められる条件をいくつか考えると、
- 保温性
- 放湿性
- 耐候性
- 安全性
- 視認性
- ライダーサポート力
といったものが挙げられるのではないでしょうか。
保温力
やはり、寒い中でもバイクを楽しむためにはなくてはならないのは、まず保温力ですね。
最近の秋・冬・春向けの3シーズンジャケットは大変機能性の高いものが多く、インナージャケットとアウタージャケットを重ねて着るタイプはかなり暖かいです。
このタイプですと、アウターとインナーの間に空気の層を作ることができ、保温力が1枚ものとは比べ物にならないほど高くなるのです。
また、かたちとしては首回りがしっかりとカバーされているものが良いと思います。
首周りのガードが緩いものは、どんなに構造がしっかりしていても温かさは期待できないでしょう。
放湿性
放湿性についてはインナー側は放湿素材で造られているため蒸れにくくなっていますし、走行中に負圧でジャケットの背中がめくれないようベンチレーションも備えているものが一般的です。
耐候性
生地が雨や風の新入を防ぐ生地でできているものなら、冬この上にレインウェアを着て宇宙服のように着ぶくれる心配もありません。冬こそこの耐候性は重要です。
安全性
安全面ではへ背中や肩、肘などに衝撃吸収パットが配置されていたり工夫されています。
パットも最近ではヘルメットの衝撃試験の施設を使って確かめられた、効果の高いものが搭載されています。
視認性
視認性の面では、各メーカーともに単位派手さを押し通すのではなく、バイクを降りた街歩きにもオシャレで、かつ他の交通からの視認性の良さのいいデザインなのがトレンドです。
ライダーサポート性能
これは単に着心地だけではなく、いかに重さや動きやすさの面でライダーに負担をかけない作りになっているかというのがポイントです。
バイクジャケットの場合は立体裁断といって、はじめからバイクのハンドルに手をかけた状態に裁断されている運転中に楽なものがオススメです。
一度お店で確かめてみるとよいでしょう。
冬用バイクジャケットの選び方!お店での試着編
特に私服で着ているようなカジュアル用の物を使うと、バイクでは力不足だったりします。マイナス9.5度の風はハンパじゃありません。
オシャレ重視のものや中途半端なモノを選んでしまうと本当に寒くてしょうがないので、ここはしっかり選びましょう。
ウィンタージャケットという名称で売られている物を選べば確実ですが、ジャケットを選ぶ際に気をつけるべきポイントを下記にまとめましたのでご覧ください。
参考元:www.webike.net
1.首元までピシっと閉まる物を選ぶ
人間の体の中で熱を奪われやすい部位として代表的な首。
首が冷えていると体温が下がりやすいですし、風邪をひく原因にもなります。
そこで首がシッカリと閉まる物を選ぶというのが重要になってきますが、実際に試着してみて首が苦しくないか、逆にユルすぎて風が入り込んでしまわないかを見極める必要があります。
また、ネックウォーマーを併用して使う前提であれば、ある程度の余裕を確保できるかも確認しておきます。
2.袖口が風を通さない様にすぼまっているものを選ぶ
バイクの走行による向かい風。手首がゆるいものを使っているといとも簡単に風が入り込みます。
手首の部分がベルトやゴムによって閉められるものになっているのを選ぶのがベストでしょう。
3.生地に防風加工のされているものを選ぶ
バイクの服装で重要な要素になってくるのが素材です。
雨風にさらされるというバイクの特性上、防水性や防風性が確保されているものを選ぶのがベストです。
代表的な生地の素材としては以下のものが主流ですね。
Outlast(アウトラスト)
WIND STOPPER(ウィンドストッパー)
GORE-TEX(ゴアテックス)
こういったものがありますが、やっぱり一番いいのはプロの登山家もおすすめするGORE-TEX(ゴアテックス)ですね。防水性、防風性ともに最強ですが、お値段も最強です。笑
ほかにもWIND STOPPERはよくネックウォーマーなどの小物によく使われていますが、本当に風を通さないのでオススメです。
資金面に余裕が有るようなら選択肢に入れてもいいですが、最近では代替品も負けず劣らずそこそこの性能を発揮しますので上記の生地をつかっているかも参考にするといいでしょう。
4.自分のサイズにあったものを選ぶ
2種類のタイプに別れるウィンタージャケット。
サイズをあわせるのも大事です。ブカブカだと風が入っていたり身動きが取りづらいですしピッタリすぎても下に着込むことができないということもあります。
ショートタイプやロングタイプなど着丈の違う製品もあるので見た目や求める防寒性能を考慮して自分にあったものを選びましょう。
ベストなのは一度お店で試着してみることですね。また、お店で気に入ったものを買う前に通販で購入すると安くなったりするものです。
いちど着心地を確認してから購入してみるのも手ですね。
ラフ&ロードの秀逸ウィンタージャケット
ちなみにコミネなどのメーカーは良い物もありますが、結構ごついので変な意味で目立ちます。
ラフロから販売されているこのシリーズは見た目も比較的普通のマウンテンパーカーみたいな感じなのでいいですね。あと、袖に小銭入れが付いているので何気に便利だったりするのです。
他にもオーバーパンツを履くと太ももから逃げる熱にも対策ができるのでオススメです。アメリカンとか乗ってると内股部分が凄く冷えるので・・・。下のものは上のジャケットと組み合わせても違和感がないですね。
参考URL → ラフ&ロードオーバーパンツ
バッテリーの消費電力にもよりますが、大型バイクなど比較的電力に余裕のあるバイクは電熱ジャケットを使うという手もあります。
気になる発熱アンダーウエアの効果
切り刻まれそうな寒さの中でバイクに乗るときに、いかに外気を懐に入れずに済むかというのは最大の問題であり、時に死活問題だったりもします。
冬でも毎朝バイクに乗らなければならない新聞専売店の人や、バイク便ライダーに話を聞くと、ジャケットに頼るより下に着るものにいろいろと工夫をするといいます。
最近よく売られている吸汗発熱素材でできている下着はあるとないとでは大違いだそうです。
これを聞いて、筆者もミズノの「ブレスサーモ」という商品を長く愛用しています。
参考サイト→ミズノブレスサーモ
3段階で厚さが選べるようになっていて、筆者はこのうち一番厚い「ウールへヴィーウェイト」を愛用しています。
実際に着てみると、街の中では少し動いただけで体が温まって、多少顔がほてるほど発熱します。バイクの上でも、薄手のセーターを一枚余分に着ているかと思うほどの保温力を実感できますよ。
筆者は、もはやこれなしに冬を乗り切るのは難しいすらと考えています。上下で¥16,000以上するのですが、そのコストを補って余りある保温性は揺るぎありません。ただ、インナーに2万弱は高いですよね。
そこで、こまったときのUNICLO頼み。おなじみのヒートテックと比べてどうなの?ということになりますよね。
参考サイト→UNICLO HEAT TEC
上下をあわせても¥5,000でおつりがくるというのは魅力的です。
こちらも実際に持っていますが、発熱感はやはりミズノのブレスサーモの方が実感できます。ブレスサーモの感覚を知っていると、ヒートテックについては値段なりに健闘しているなという印象になります。
毎日通勤に使ってそのまま仕事着の下に、という人には洗い替えも考え、ヒートテックを何枚も持っていているといいですね。
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筆者の場合、ミズノの方はあえて夏のセールに特価になったのを見計らって購入しています。(笑)
ツーリング用にしたり、寒い日にヒートテックと重ね着をする等つかいわけるといった具合です。いずれにしても、冬の必需品であることには変わりありません。賢く使い分けるといいでしょう。
指先の冷えは危険信号!寒さ対策でおすすめのグローブ編
体の末端である手はバイクを操作する要の部分。
しっかりと防寒対策をしないとしもやけになってしまいます。
また、寒くなると想像以上にスイッチなどのハンドル操作がしにくくなり、危ない時のクラクションを鳴らすのはもちろん、ウィンカー操作すら難しくなってきます。
たとえ必須では無いと行っても、軍手などでは絶対に寒いのは明白です。まして素手で走っている人は大丈夫なのか?と思ったりもしますが・・・。
参考元:www.kushitani.co.jp
最強なのは電熱グローブ?
防寒性の高いグローブで事足りればいいですが、バイクの車種によっても体の冷え方は全然異なってきますよね。
とくに、ネイキッドなんかだとおもいっきり風にぶつかりながら走るので体感温度はツアラーやフルカウルのモデルに比べるとかなり冷えます。
そんな時に活躍する最後の切り札が電熱グローブ。これさえあればどんな時でも活躍すること間違いありません。電熱グローブについては2社の製品がオススメのようですね。
こちらもお店で試着して、通販で購入したほうが安くあがるかもしれませんね。
この2つ以外にも、防風のネックウォーマーや電熱ジャケットなど、補助的なものもあります。それから良く冷えがちな足の防寒にも気を配りたいですね。ではでは、グローブの選び方にもコツがあるので下記に紹介しますね。
1.防水性をもっているものを選ぶ
手袋は濡れるとなかなか乾きません!冬にグローブが塗れたまま走るのはありえないほど寒いものです。
こちらもジャケットと同様、ゴアテックス製の生地のものを選ぶのが一番いいのですが、価格やデザインも自分なりに考慮して決めましょう。
2.グローブの長さを決めて、合うものを選ぶ
冬用のグローブは手首まで覆うタイプのものが一般的です。
ガントレットタイプというのですが、これは剣道でつかう籠手をイメージしてもらえば手首まで覆う物というイメージがしやすいと思います。
手首まで覆っていると脈が冷えず、快適なので参考にしましょう。また、長すぎてもハンドルやスイッチの操作性に影響が出ます。見た目と操作性を見極めて決めていきましょうね。
3.試着して操作性を確認しながら選ぶ
通販で気に入ったものをポンと買うと後悔します。まずはお店に行って、かならず試着しましょう。
サイズ表記でMと書いていても、日本製のものと海外製のものでは大きさが全然違います。グローブをはめて、握ったり指の余り部分を確認してみたりしてシックリ来る、疲れなさそうな物を選びましょう。
オススメはコミネ&タイチのウィンターグローブ(電熱)
ジャケットはごついものが多いコミネですが、電熱グローブには定評があります。
人気モデルのキケロを選んでおけば断線などのトラブルもなく、温かい冬のバイクライフを安心して過ごせますね。
また、タイチのグローブだと見た目に工夫をしてレザー風のグローブなんかも作っているみたいです。
いかにもバイクグッズ風の見た目が好みではない場合には有効だといえますね。ちなみにタイチの製品はバッテリーで駆動するタイプのグローブなんかもあるので要チェックです。
また、自分の用途や好みにあったものを探すのもグローブ選びの楽しいところです。
本気のツーリング仕様でゴツい完全防水が良いのか、通勤仕様の使いやすい物がいいのか、多少の機能は犠牲にしてもおしゃれなものがいいのかで選ぶものはかなり異なってきます。
電熱ウェアやグローブって本当にあったかいの?
しかし最近、大型バイク用品量販店で一番目立つ位置にあるのが、電熱ウエアやグローブですよね。
「一体効果のほどはどうなのよ」と気になる方も多いと思います。
実は私もアールエスタイチのe-HEATグローブを持ています。
参考サイト→e-HETA グローブ
バイクの側にホットグリップを付けるかどうか迷ったのですが、ちょうど冬用のグローブに穴が開いたので購入してみました。3段階の温度調節ができ、操作をするときに違和感がないしなやかさがあったのが購入の決め手ですね。
深夜のうちに充電を済ませ、出かける前にグローブにセット、約1時間の通勤で温度は最強にして往復すると電池切れになります。
ツーリングに使う場合には、別売の12V車載電源キットがあるので、これを付ければ解決できるでしょう。グローブをはめてしばらくは温かい感じがあります。
外気の冷え方にもよりますが、意外に走行風に負けて時間とともに効果が薄らいでいく感じがしました。
でも、出勤してすぐにキーボードを打つ手がかじかんで動かないというほどではなかったので、e-HEATの効果はほどほどにあると思っています。また、ホットグリップの付いたバイクでe-HEATを使ったときは相乗作用があって、手が冷えることはなかったです。
ジャケットだけの場合だとどうなる?
では、ジャケットはどうなのかということになりますよね。
グローブは発熱するそばから外気に冷やされてそれに負けてしまっていたわけです。しかし、例えばジャケットのインナーをe-HEATベストにした場合、それが直接冷やされるわけではありません。
ですからジャケットの中で、かなり暖かくなるのではないかと思います。
参考サイト→eHEATベスト
これはあくまでグローブの発熱の仕方から想像するのですが、オーナーレビューを見る限り大方あっているものと思います。
プラスアルファで更に快適!用意したい防寒グッズは?
筆者がかつて持っていたライディングウェアはかなり機能の高いものでしたが、首周りの防寒が今一つで、せっかく高い保温性があるウェアであるのに、残念なモデルでした。
寒いときに一番熱が奪われやすいのが、頸動脈という太い血管の通っている首です。よく、テレビ番組の実験でサーモグラフィーで首周りから放熱している様子を映してマフラーをする場合としない場合についての実験をしていました。
当然そういった実験の結果を待つ以前に、ライダーは首より上を冷やされてしまうのでどうにかしたいものですよね。
そんな時に便利なのがネックウォーマーやインナーマスクです。
参考サイト→マスク
これも最近は最初にご案内した吸湿発熱素材が使われることが多くなり、快適なものが多くなりました。頭からかぶって首を覆うネックウォーマーが一枚あるだけで違ってきます。
首を温めるというだけでなく、のどや鼻の粘膜を乾いた寒さから守る役目もしてくれます。
ただ、ネックウォーマーの場合には、ヘルメットをかぶるときにずれてしまってなかなかベストな位置が決まらなかったりすることがあります。
ですからどちらがいいかと言われれば、使いやすくお勧めなのはフェイスマスクの方ですね。
これですと、顔全体が保温できるので、ジェットヘルメットでもなかなかの防寒性を発揮してくれます。
足元もライディングシューズでしっかり保温!
足元も長く乗っていれば、冬場は冷えてきますが、これは少し厚手のソックスを履いてライディングシューズを選ぶことでだいぶ緩和されます。
靴下も最近は吸湿発熱タイプがあるので、そういったものがいいと思います。
電熱インナーで足を温めるものもありますが、耐久性やコスパを考えると、よっぽどの冷え性の方でない限り、シューズでカバーできると思います。
ガエルネ タフギア
このお話の流れから、しっかりオーバーパンツも着込んだ下に履くことを考えれば。オススメなのは、このガエルネのタフギアのようなハーフブーツですね。
参考サイト→GANERNE TAFGEAR(※写真はタフギアフラット)
筆者も一足持っていますが、このタフギアは、イタリアで製作されているブーツです。
しかし、このブーツは日本の輸入元であるJAPEXが日本人型と呼ばれる平均的な日本人の足形を使って企画したので、われわれ日本人が大変履きやすいように工夫されています。
縫製も上級モデル譲りのしっかりしたもので、足首のホールド感を確保しながらしなやかで、ツーリング先でも歩きやすいブーツです。
冬場に湯河原のワインディングによく出かけますが、これを履いている限り足元に寒さは感じられません。
G-AIR GORETEXブーツ
また、さらにプロテクションを求めるのであれば、ショートブーツもオススメですね。
参考サイト→G-AIR GORE-TEX
ヴァレンティーノ・ロッシ選手もブーツを中に入れて履いているので、これはちょっとおしゃれです。
まとめ
それでは、オススメのグローブやジャケットの選び方について、長く親しまれているものから最新の電熱グッズまでを筆者の経験とともに紹介させていただきました。
冬のバイクに乗るのは、どうしても寒さがこたえますがなんとか克服してツーリングを楽しむのがライダーの嗜みでもありますし工夫の腕の見せどころでもあります。
ただ、あまりにも寒いとブルブル震えて運転どころではなく、カーブを曲がるたびに危険が伴います。指先を暖かくして各種操作ができないと本当に危ないですからね。
寒さの度合いや、通勤・通学、ツーリングの距離やニーズによって防寒の方法もいろいろあります。
また、さらにこんないい方法があるぞという方はコメント欄に書いて、知恵を出し合ってみんなで冬のライディングを暖かくしていきましょう。
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