交差点や駐輪場で消耗部品の劣化に気づかずに、乗りっぱなしにしているバイクって意外に見かけるものですが、自分のバイクは大丈夫ですか?
バイクにとってタイヤは命を預ける重要な消耗部品。ちょっと大げさに言えば、借金をしてでも整備を後回しにすることを避けなくてはいけないパーツなのです。
バイクの種類にもよりますが、一口にタイヤ代といっても決して安いものではありません。
ショップに交換を依頼すれば、タイヤ本体の価格に加えて、工賃や廃タイヤ料金もかかってきますよね。結構勇気のいる出費だったりもします。
本稿ではバイクのタイヤの交換タイミングや、交換にかかる費用などについて考えていきたいと思います。
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Contents
バイクのタイヤ交換はいつしたらいいの?
皆さんは、ご自分のバイクやスクーターのタイヤをどれくらいの頻度で交換しますか?
こんなに溝がなくなるまで使っている場合には要注意です。
こだわりが強いと月に2回以上交換する人もいるでしょうし、逆に2年に一回あるかどうか、という方もいらっしゃるでしょう。
ただしサーキット走行などで数時間のうちにタイヤを使い切ってしまうような用途は別です。通常使用でも走行頻度の多い方なら半年に一度くらいの割で、タイヤを消耗する方が多いかと思います。
法的にタイヤの寿命というのは、残溝1.6mmになったときとされています。見た目で言えば、スリップサインがみえるようになったら交換時期です。
参照元→スリップサイン
毎日乗っておられる方ならば、タイヤの摩耗変形によって振動や乗り心地が変わって気づくという方もいらっしゃると思いますが、視覚的な目印として認識されるといいでしょう。
こういったタイヤの溝をチェックする「デプスゲージ」もありますので、ぜひ活用していきましょう。
たとえばこの製品は筆者も使っていますが、物持ちがよくデジタル式なので読みやすく、価格も数千円と安くずっと長く使えますし、クルマにも利用できるので非常にオススメですよ。
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ただ、バイクにそう頻繁に乗らないという方の場合は少々基準がかわります。
ご存知でない方も割と多いようですので、ご説明します。
タイヤの特性を理解して交換頻度を考えてみる
実は、タイヤって、なまものなんです。
よーく思い出してみてください、タイヤってゴムでできますよね、そして黒いんです。
なるべく痛まないように、長持ちするように作られてはいますが、結局外気に長い間さらされて酸化したり、紫外線を浴びて硬化したりするものなのです。
例えば学校のボールが固くなってヒビがいったりしているのを見たことがないですか?この状態がタイヤにも起こるのです。
堅くなったタイヤはひどいければヒビも入りますが、硬化が始まっているのにわかりにくい場合もあります。
ブリジストンやミシュランなどのサイトでは5年たった状態で、継続使用が可能かどうか専門家の診断が必要です。10年以上は例外なく交換をという指示をしています。
ただこれは自動車が基準なので、タイヤが日光にあたりやすいバイクの場合は、その半分をメドにした方が良いでしょう。
実は、タイヤには製造年と週が刻印されているのをご存知ですか?
1 1999年までの製造品は、下3桁(例129)の数字は製造年週を示しています。最初の数字12は週(12週目)を、最後の数字9は年(1999年)を示します。
2 2000年以後の製造品は、下4桁(例1212)の数字は製造年週を示しています。最初の数字12は週(12週目)を、最後の数字12は年(2012年)を示します。
参考サイト→(ブリジストン2輪HP)
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ですから、写真のような場合は2003年の第9週目に製造されたタイヤだという意味になります。
参考元→タイヤの製造年週
このことを基に、たとえば月に2回くらいの頻度でツーリングをのんびり走るような場合は、最長で2年半くらいが寿命でしょう。
峠を走る回数が多い方なら、1年以上寝かせたタイヤは少々グリップが落ちますので、溝があっても履き替えることをお勧めします。
また、大型店のセールのタイヤの中や、ネットで売られる中古タイヤには、稀ですが相当年数の経ったものが含まれている可能性があります。
この数字を参考にして、あまり古いものはかえって高くつくため購入を考え直したほうがよいでしょう。
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バイクのタイヤ交換にかかる費用の内訳
WEB上の知恵袋にはよく、「タイヤを交換したら工賃をとられたが、高すぎないか?」という質問が散見されます。
おそらくこれは、タイヤというものには定価が存在しないことと、工賃を支払う意味についての理解不足からくる不満がこの手の質問になっているものではないでしょう。
1.バイクのタイヤ代について
タイヤには定価がほぼ存在せず、いわゆるオープン価格というのもで流通しています。
どういうことかというとタイヤは先述のように、なまものである上、高額商品です。スーパーでも生鮮品はお店の仕入れ状況や売れ行きによって値段を調整して商品の流れをコントロールしています。
これと同じように、タイヤも基本的にお店が(仕入れ値から有利な範囲で)値段を決めて良いことになっています。
つまり、鮮度がいい旬なうちに大量仕入れで安く売るか、少々鮮度が落ちてから安くするのかはお店の状況や規格によって判断が任されているわけです。
2.バイクのタイヤ交換の工賃について
また、作業工賃もお店によって2,000円~5,000円くらいまでの幅があります。
たまに「車と比べて車両が小さいのにバイクタイヤの交換工賃は高い」と不満を言う人もいますが、これは全くナンセンスです。
車の場合、ジャッキアップさえすれば、ナットを外すだけでタイヤの交換作業に入れますが、2輪の場合は車体を持ち上げてブレーキを外したり、アクスルシャフトを傷つけずに外したりなど脱着に手間がかかります。
また、オフロード車などのチューブタイヤの車両はチューブを破かないように慎重な作業が必要ですし、ハーレーやBMWなどの非チェーン駆動車両は余計に手間が掛かったりします。
また、モンキーやゴリラ等50㏄の場合でも合わせホイールを分解して交換するのは、それなりの技術が必要なのです。
工賃は、作業の保証もかねていますし、技術を提供してもらうのですから、正当な対価と考えるべきでしょう。
さらに、お店によって設備も違いますから、工賃が多少バラつくのもありうることなのです。
3.バイクの廃タイヤ処分料
稀に工賃に含んでいる場合もあるのですが、通常この工賃のほか、廃タイヤ処分料が発生します。
廃タイヤはリサイクルに回されるのですが、不法投棄や環境汚染を防ぐため、しっかりしたルートでリサイクルするためにはそれなりに費用が発生し、500円~1500円/本が相場でしょう。
タイヤ交換は、お店にいきなり飛び込まず必ず下調べを!
話は前後しますが、ある程度の相場こそあれ、タイヤの値段や工賃、廃タイヤ料金も店やそのタイヤによって値段が違うものです。
例えば、ディーラーにタイヤ交換を頼んだ場合、量販店と違って仕入れの量も違いますから単価や工賃は比較的高く設定されているところがあります。
これに対し、バイク用品量販店では、キャンペーン時期などに卸業者と一緒にキャンペーン価格を組んで、大量に安く仕入れて売りさばく為、時期的にタイヤが安くなります。
そして、バイクタイヤ専門店に至っては、さらに安いルートでの仕入れや、大量買い付けが可能なので、工賃は量販店と同じくらいでもタイヤ価格が数万円安くなることもあります。
こぼれ話として、以前筆者が某大型量販店に勤めていたとき、スーパースポーツの前後タイヤの社員価格より、バイクタイヤ専門店の方が安かったので驚きました。(内緒ですよ。)
タイヤ本体については、汎用性の高い小型のものは定番商品化して値段も落ち着いている場合もありますが、大げさにいうとタイヤは時価だと思っていれば間違いないと思います。

ということで、お店によってタイヤも工賃にも差があることや大方の事情もご理解いただけたかと思います。
しかし、「初めからそういうものだ」と解っていれば、ネットを武器にして、事前に近隣のお店のタイヤや工賃を調べて比較していくというのはそう難しい話ではないでしょう。
そうして数件リストアップした中で、一番安いお店を探すというのが、賢いやり方でしょう。お店を探していく中で、ご自分の近隣のお店の相場というものが把握できると思います。
親切に表を使って「いくらでございます。」とお示しするよりも、ご自分でお確かめいただくという方が、安くて親切なお店を見つけるためには良い方法なのです。
まとめ
バイクに乗っていると、自然と身を守るための運転が身についてきます。
そして、バイクに乗る時間が多くなれば多くなるほど、自分に有利な方法を自分で見つけ出す思考傾向に至ります。
ツーリングで風の匂いの変化や景色の移ろいを積極的に楽しものもそうですし、整備のいうまいお店を探し出すことや、部品の安いお店を見つけるのもその一つでしょう。
お近くのお店のパーツや作業工賃について値段を何店分か把握しておくことで、依頼する作業によってお店を使い分けることができるようになります。時には自分で整備できるものもあるのでさらに安くするという方法もとれます。
タイヤだけに限らず、節約しながら欲しいものを手に入れるには積極的に情報を仕入れ、分析を欠かさないのが最大のコツですね。
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