motoGPや鈴鹿の8時間耐久レース、モータースポーツ・ファンなら、圧倒的スピードで疾走する1000ccや600ccのバイクに誰もがあこがれるのではないでしょうか?
バイクに乗るからには、ハーレーのV2の鼓動や、あのマッチョな雰囲気を手にしたいという人もいるでしょう。
今では大型二輪規制が緩和され、免許がなくても18歳以上であれば、いきなり大型二輪免許を取ることができるようになりました。
ただ、これまで段階免許の時代が長かっただけに、社会的に「いきなり大型免許取得」への懸念があるのも確かです。
今回は、二輪経験のない人が自動二輪免許を持たずにいきなり大型自動二輪免許を取得することの是非、取得する場合の方法、そして費用などについてお話ししていきます。
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Contents
選べるバイクの大型免許取得方法!方法や費用は?
かつて自動二輪免許は、中型までに限定されていました。
その限定を解除するための厳しい試験を受け、段階的に免許を取る以外に方法がなかったのです。
これがいわゆる伝説の「限定解除」です。これが未だに大型免許の一発取得の壁裏に潜んでいる事実を知る人は少ないようです。
1975年~1996年9月までは、二輪教習は普通二輪(昔の中型免許)までしかなく、当時の中型免許には必ず備考欄に、「自二車は中型に限る」という文言がありました。
自動二輪の運転は許可されますが、中型に限定して運転を許可されるので、大型に乗るためには、その限定条件を解除する「限定解除」試験を受けるしかありませんでした。
かつての限定解除試験は「落とすための試験」
限定解除試験は「20回受けてやっと受かる」と言われていたほどで、基本的に「落とすための試験」だったのです。
それゆえ、この免許は、ふるいにかけられて何とか勝ち残った(中型)普通二輪免許保持者に与えられる栄誉ある勲章が、大型自動二輪免許だったといっても過言ではありません。
この厳しさゆえに大型二輪人口は少なく、中型クラスを持たない海外メーカーにとっても障壁になったいました。
時を経てついに、旧制度が国際的な輸入車の輸入障壁とみなされたことから、1996年9月より、大型自動二輪免許の受験資格が18歳以上の非免許保持者に拡大されました。
それが今の制度で、大型自動二輪免許を取得するには、以下の2つの方法があります。
方法1.バイクの免許が取れる自動車学校で練習・試験を受ける方法
公認自動車教習所で基本38時間の座学・実技教習を受け、卒業検定に合格したのち、運転免許試験場で筆記試験(90/100点で合格)を受験して免許を取得する
方法その2.運転免許の試験場で一発試験を受けて取る方法
運転免許試験場で、筆記(90/100点で合格)・実技試験(70/100点で合格)を受け、合格後に指定教習所で合格講習を受けてから免許を取得する
※普通自動二輪免許保持者は実技試験のみでOK。
ここまで免許の取得方法について述べてきましたが、免許の取得にかかる費用はいったいどれぐらいかかるのか調べなおしてみることにしてみました。
大型二輪の免許を取るのにかかる費用はいくら?
限定解除を1995年に経験した筆者にとって教習所で大型教習が受けられるようになったのは、うらやましい限りです。
費用面では、各教習所および試験場ごとに若干の差はあるようなので、あくまで標準として以下のように大型免許を取る費用と教習時間をお示しします。
大型二輪免許の教習所での免許の取得費用・期間
・自動車免許を持っている場合: 33時間/約222,600円
・普通自動二輪免許を持っている場合: 14時間/約143,110円
上記の通り、原付免許保持者や、他に何の免許もない人が自動車教習所で大型自動二輪教習を受けるには(延長なしで)38時間/約291,900円かかります。
ちなみに、普通自動車免許以上保持者は33時間/約222,600円、自動二輪を持っていれば14時間/約143,110円くらいはかかります。
教習所を利用して大型免許を取得するメリット・デメリットは?
教習所の使うメリットとして、
- 教習所を見つけやすい、そして通いやすいこと。
- 教習生の発展度合いに即して基礎からみっちり合格に向けて教えてくれること。
- 日頃練習している検定コースを、卒検コースとして予め確認できること。
- 夜間・休日も教習を受けられること。
- 時間を節約できる、費用面も一発試験を何度も受けて受からない場合に比べるとお得
逆に教習所を使う場合のデメリットとしては
- 料金が高い
- 教習の日程を予約したり、空いている時間を探さないといけない
ということに尽きます。
一発試験にかかる費用とメリット・デメリット
これに対し、一発試験で実技試験と筆記試験を受ける場合は、以下の費用がかかります。
費用の種類 | 金額 |
事前審査 | 無料 |
学科試験・実技試験 | 約4,600円 |
技能追試 | 約3,550円 |
免許証交付料 | 約2,100円 |
車両使用料 | 約1,150円 |
取得時講習 | 約15,600円 |
※料金は免許センター毎に違う場合がありますので、ご自身の県都道府県の試験場に必ずご確認下さい。
一発試験を受けるメリットとしては、「時間が早くて安い」という最大のメリットがあります。
- 運よく1発で合格できれば約27,000円で免許を取得できる。
- 運が良ければ早く免許を取ることができる。
やはり、予算的な数字を比較すれば、教習所に行くよりは明らかに一発試験の方が有利なように見えます。しかしデメリットとしては以下の様なものがあります。 - 試験が平日の午前・午後のいずれかに限られ、仕事を持っている人にはつらい。
- 誰にも教わることができないので、自己流の運転になる可能性がある。
- 練習環境を整えるのが大変。
- 試験コースは当日指定なので、イメージトレーニングがやりにくい。
と、やっぱり現実的ではなさそうな問題が挙げられます。
一発受験には、練習環境の開拓が不可欠だと言えます。ビデオや教則本によるイメージトレーニングだけでは予習が困難でしょう。
通える範囲に、認可外の運転免許練習場がある場合には、積極的に利用するべきです。一回の練習料金は6,000円~8,000円で、コツを教わりながら試験課題を練習させてくれます。
練習所は、限定解除時代よりも数が減って、必ず近隣にあるとは限りませんが、その距離は試験回数を減らすための熱意があれば乗り切れるでしょう。
練習場等を探し頑張ってそこに通いつめ、コツをつかんで試験に臨むのであれば、安く早く大型自動二輪免許を手にすることも夢ではないと思います。
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大型バイクの免許を取るには、以上の通り2つの方法が主となっております。すでに二輪免許のある方は現在乗っている250~400ccのMT車で練習をして一発試験、という方法で5回めぐらいで合格すれば安上がりでしょう。
逆に、持っている免許が自動車免許しかない、という場合にはいきなり大型二輪を一発試験で取るというのは現実てきではないですね。
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大型自二免一発試験取得は楽という嘘
大型一発試験を勧める意見として、ネット上に多いのは、「普通二輪と操作は変わらない」「簡単である」「安い」ということだけを強調して言う人があります。ぜったい苦労しているはずです。
では実際に安さと簡単という言葉を真に受けていくとどうなるかですが、まず用意された試験車にまたがると見た目以上に大きくて重いので、非常に戸惑います。CB750は中型免許・原付免許所持者にはかなりデカい乗り物です。
そしてバイクを動かそうとすると、わずかな操作で相当な力が出てしまい、要求される操作の微細さに驚くことになります。
そして降りてしばらく放心状態になるほどの驚きがあるはずです。特にそれは初心者にはあってしかるべきでしょう。
たぐいまれな根性と、吸収力と向上心を持って、失敗から学ぶ人であれば、実技試験の中だけで、バイクの特性や操作のコツをつかんでいくことも可能かもしれません。
しかし、それは非常にまれな話。相当なセンスが必要です。
安さだけを当てにして、一発試験を受験すると決断するのは、うまい投資話を聞きつけてコツも知らずにすぐに乗りかかろうとするのと同じく、大きな後悔の可能性をはらんでいます。
大型免許一発試験の合格基準が厳しい理由
一発試験は元々限定解除時代、普通二輪免許保持者のために用意されていた難関実技試験に、筆記試験等を追加したものです。
このほか合格後講習と言って、指定された教習所で、危険予知カンファレンスを受けたり、救急救命についての講習を受けることが、初心者向けに新たに義務付けられています。
かつての限定解除試験の厳しさについてはお伝えしましたが、一発試験を志す人にとって、これは単なる昔話ではなく、「落とす試験」として今なお健在なのです。
あくまで一例を集めたものですが、具体的に以下の例が、「落とす試験」と言われる所以です。
・事前審査では引き起こし用のバイクがあえて重くしてあることがある。(タンクに砂が詰めてあるという噂もありました。)
・同じく引き回し用のバイクは前輪タイヤの空気圧が抜いてある場合がある。(関西でいまだにあるようです)
・坂道発進でブレーキを踏んだまま、受験番号氏名を司令塔に向って叫ぶ、この声が小さいと「元気がないから今日は帰ってください」と試験中止になる。(1995年夏 二俣川試験場で筆者が体験)
・「ふらついた、」「加速に元気がない」等不条理な理由で完走を阻まれる。
課題の内容以上に、メリハリの元気さ、受験態度などを重視し、ワンチャンスでの完走・合格を阻もうというスタンスも感じられますが、経験値を上げさせる意図も感じられます。
完走の確率は低く、「それでも大型に乗りたい」という信念をとことん鍛えられるのが限定解除試験の主な特徴でした。
多少の変化はあるようですが、その精神は変わりなく、「落とす試験」として現在の一発試験に受け継がれています。
限定解除時代には、10回~20回受験することはザラでしたが、調べると今は5回~15回というのが相場のようで、限定解除時代よりは若干取りやすくなった印象を持ちます。
一発試験受験に必要な心構えは?
一発試験に軽い気持ちで短パン、サンダルで一発試験に来て一発不合格になる人や、試験コースは教えてもらえるものだと思って失格になる人も実際にいると聞きます。
そういった心構えのない人は論外として、いきなり試験を受けるわけですから、教習所のように一から教えてもらえるつもりで試験に来るのは間違いです。
教えてもらわないと、バイクの動かし方が分からない、あるいは自信がない人には一発試験は全く向いていませんので、教習所で基礎から学ばれる方が良いでしょう。基本的に間を詰めて通えないと合格のチャンスは遠のきます。
ですので練習環境が整わず、平日日中に複数回受験する機会が持てない方は、教習所での教習の方が安くつく場合があるというわけです。
つまり安くなる分、
「いかに多くの時間を練習に割けるか」。
これが勝負になってくるんですよね。
安いのか簡単なのかという話は、免許を自己流の乗り方で取ったのか、しっかりと基礎を身につけて取ったのかによって、同じ予算でも値打ちが左右され、安かったかどうかはそこで判断されるべきだと思います。
安さと確実性の2つを取るための方法
ここまで大型バイク免許の一発試験についてのお話をしていきましたが、「一発試験を一発で合格するのは至難の業」ということがおわかりいただけたのではないかと思います。
つまり、教習所に払う合計金額と
一発試験の追試を繰り返す金額は
技能がなければ余り変わらない、
という感じになってしまうということです。
それでは安く済ませるという本来の目的も達成できませんし、もしかしたら教習所に通うよりも割高になるリスクもある、ということになってしまいます。
となると、逆にもったいないですよね…。
価格を抑えながら確実に試験をパスできないものか、と贅沢な悩みを解決するために私もアレコレ考えたのですが、「合宿免許」を使うことによって2つの問題を一気にクリアできる可能性が高いことが分かりました。
こういった合宿免許を紹介するサイトから申込むことによって、免許の費用や取得にかかる時間を安全確実に節約することができます。
もちろん会社勤めだとなかなか難しいのですが、合宿を使うことによって費用面の問題はクリアできるので、もしも時間があればぜひ検討してみるべきでしょう。
また、合宿免許には通常の自動車学校ではあまり感じない講習者同士の横のつながりを得やすい点が魅力の1つです。
バイクのために免許を取りに来ているので
同じ目的意識もありますし、
趣味の共通点もすでに一緒ですしね。
なので地方から集まってきた同世代のメンバーと連絡先を交換したりして、将来的にツーリングに一緒に行けるかもしれない!なんていう面白い出会いがあるかもしれません。
時間に都合がつく場合、ぜひ検討してみてはいかがでしょう?
まとめ
先述の通り、大型自動二輪免許を得るには、たくさんの苦労が要求されますが、裏を返せば大型車はそれを持っても余りあるほどの魅力を持っているということになります。
アラジンのランプを得るように、免許を取得することで、それまでにない大きな力を手に入れることになります。
大きな力は素晴らしい反面、その使い手となるライダーには道徳的資質が大きく問われることになります。スピードや音の暴君となり、大型自動二輪が社会性を失うことがあってはなりません。
いきなり大型免許を取得することについての社会的懸念は、ライダーの意識の健全性そのものにかかっており、それを無視する人は、自らの命すら危ぶまれることになるのです。
というわけで、安全運転で大型二輪免許取得までの道を乗り切っていきましょう!
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